2016年8月1日月曜日

この10年間で増えた職業,減った職業

 帯状疱疹の痛み(違和感)もあり,早く目が覚めました。することがないので,ブログでも書こうと思います。

 社会は,人々の分業から成り立っています。多くの人は何らかの職業に就き,社会的な役割を遂行しているのですが,どういう職業が求められるかは,時代によって違います。

 それを目に見える形で示してくれるのは,官庁統計の職業別の就業者数です。時代の変化に応じて,需要が高まっているとみられる職業を把握するには,ここ数年の変化を観察するのがよいでしょう。

 『国勢調査』の現行の職業小分類では,232の職業カテゴリーが設けられています。先日公表された,2015年の『国勢調査』では,この分類に依拠して,職業別の就業者数が集計されています。同じ分類による就業者数の比較は,2005年調査まで遡ることが可能です。

 私は,232職業の就業者数が,2005年から2015年までの10年間にかけてどう変わったのかを調べました。たとえば,高齢化の進行により需要が高まっているとみられる介護職員をみると,2005年では75万1485人(①)でしたが,2015年では127万9200人(②)にまで膨れ上がっています。増加率にすると,(②-①)/①=70.2%です。10年前に比して7割の増,スゴイですね。

 これは介護職員の増加率ですが,232職業の増加率を同じやり方で出すと,もっと高い値も出てきます。下表は,この10年間で就業者数が20%以上増えた職業です。


 需要が高まっている職業の一覧ですが,いかがでしょう。トップの情報処理・通信技術者は766.7%(77倍)の増です。情報化の進展により,この手の職業の需要が高まっているのでしょう。3位のソフトウェア作成者についても,同じことがいえると思います。

 2位のハウスクリーニング職は,空き家のクリーニング業者かもしれません。空き家の有効活用に際して,求められる仕事ですしね。あるいは,孤独死の現場の特殊清掃のようなものも含まれるかも。

 黄色マークをしましたが,介護職員や保育士も増えていますね。しかし,これらの職業はまだまだ不足。今後,もっと増えることが見込まれます。

 次に,就業者数が大きく減っている職業を見てみましょう。この10年間で,就業者数が30%以上減っている職業をリストアップしてみました。


 最も減っているのは,物品預かり人で,87%の減です。将来的にみても,AIで代替されそうな仕事です。調査員も,『国勢調査』をはじめ,最近の社会調査はネット経由でなされることが多いので,不要になりつつあるのでしょうか。

 ただ大工や航空機操縦士(パイロット)は,需要があるにもかかわらず,なり手が減っているためと思われます。よく言われますが,大工の高齢化率はスゴイ。建設需要もあり,この職業はひっぱりだこです。パイロット不足も,よく指摘されること。

 この10年間で減っている(淘汰されている)職業は,近未来では,機械で代替される可能性が高いといえるかもしれません。「将来なくなる仕事」の目安として,参考になるのではないでしょうか。

 今世紀に入ってからの10年間という短期の観察ですが,ドラスティックな変化が見受けられます。社会とは,変わるもの。「現在,こういう職業の需要が高まっている。だから教育もそれに即したものにすべし」という論は,いささか短絡的です。

 社会の職業需要は常に変わるものであり,今後,社会変化のスピードが速くなる中,その度合いはますます顕著になるでしょう。汎用性と専門性をバランスをとることが,職業教育に求められる所以でもあります。

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