2016年7月20日水曜日

子ども自殺はいつに多発するか

 間もなく夏休みですが,児童・生徒のみなさんは,さぞウキウキされていることでしょう。新聞でも各地の終業式の様子が報じられ,子どもたちの弾けんばかりの笑顔が掲載されています。
http://www.asahi.com/articles/ASJ7N34VTJ7NUTIL007.html

 しかしあと一か月もすれば,「もうすぐ憂鬱な二学期」というような見出しがメディアに踊るのではないでしょうか。おそらくそこでは,次のデータが引き合いに出されると思います。

 それは,日別の子どもの自殺者数です。昨年,内閣府が過去40年間の子どもの自殺者数を日別に集計し,話題になりました。内閣府の『自殺対策白書』(2015年版)にグラフが載っています。図4-5です。
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2015/html/chapter1/chapter1_02_05.html

 最近は親切になったもので,グラフの元データもエクセルファイルでアップされています。これをもとに独自にグラフにし直すと,以下のようになります。子どもとは18歳未満の者です。過去40年間が具体的にいつからいつまでかは資料に載っていませんが,おそらく,1970年代前半から2010年代の前半までと思われます。


 ピークは,9月1日です。過去40年間でみて,131人の子どもがこの日に自ら命を断っています。4月の初頭も多いですね。休み明けの時期がいかに要注意であるかが分かります。

 白書のグラフを復元するだけでは面白くないので,あと一つ,データ処理をしてみましょう。エクセルで公開されている日別の自殺者数を,多い順に並べ替えてみました。子どもの自殺多発日のランキングです。


 トップが9月1日,その次が4月11日・・・。9月と4月が上位の多くを占めています。休みから学校生活へと移行する時期ですが,このギャップが子どもの心身に与える影響は本当に大きいのですね。これは,学校が外部社会から著しく乖離した,息苦しい空間になっていることを示唆する事実だと思います。

 学級という四角い牢獄の中での「いじめ」もおぞましい。私はいつも被害者でしたが,思い出したくもありません。

 「命を賭してまで,学校に行く必要はない」。親がこういうことを言ってくれたら,どんなに救われたことか。

 これは,日本の現行の教育制度に照らしても,いえることです。学級という獄中生活を全く経験せずとも,大学に入れます。具体的にどういうことか? それは,27日に『日経デュアル』で公開される拙稿にて,お話しいたします。どうぞ,ご覧ください。

2 件のコメント:

  1. 義務教育で同じ地域の者が9年間も共同生活をすることに異様さを感じます。確かによき青春の思い出を作れた人もいるのでしょう。が、このデーターはやはり制度上の問題を暴露しています。産業資本がまだ脆弱な段階で国家が真っ先にやるのはまず学校と軍隊という集団行動のできる人間を生産することだそうですね。日本ではそうした明治20年代の制度がずっと続いているのです。

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  2.  義務教育で同じ地域の者同士が9年間も共同生活を知ることに異様さを感じます。運よくよき青春時代の思い出を創れた人もいるでしょう。が、このデータを見る限り他人に公言できないような苦しみを抱えた生徒が多々いることは明白なわけです。
     産業資本が脆弱な段階で国家が真っ先にやることは学校と軍隊という工場を創ることだそうです。日本ではそれは明治20年からずっと惰性で続いている。

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