2016年7月18日月曜日

日本の教員勤務の特異性

 昨日,ツイッターにて,20代の中学校教員の勤務時間を国ごとに比べたグラフを発信したところ,見てくださる方が多いようです。
https://twitter.com/tmaita77/status/754641628669677568

 横軸に週間の総勤務時間,縦軸に課外活動指導時間をとった座標上に32か国を配置したグラフですが,これがまあ,日本は「かっ飛んだ」位置にある。勤務時間も長いが,部活指導時間も長い。よくいわれる日本の教員の過労が可視化されていることから,多くの人の関心を引いたのだと思います。

 ブログにも載せておこうと思うのですが,全く同じというのは芸がありません。そこで日本については,年齢層別にドットを分けてみます。同じ日本の教員でも,年齢によって勤務時間構造は異なります。おそらく,若手のほうが過重労働を強いられているでしょう。

 私は32か国について,中学校教員(フルタイム)の週間の総勤務時間と課外活動指導時間の平均値を計算しました。OECDの「TALIS 2013」に有効回答を寄せた教員の平均値であり,ローデータから独自に計算した次第です。日本は,20代,30代,40代,50代というように,年齢層別に分けて出しました。
http://www.oecd.org/edu/school/talis.htm

 では,昨日と同じ形式のグラフにしてみましょう。


 日本の教員の長時間労働は昨日見た通りですが,国内でも年齢差があります。予想通り若手ほど勤務時間が長く,下の年齢層ほど国際標準から乖離していきます。

 ①日本では,50代の年輩教員も,国際標準より多く働いている。②よくいわれるように,若手の過重労働が凄まじい。この2点がファインディングスです。

 ちなみに,年齢差が大きいのは,日本の特徴のようです。主要国について,年齢層別のドットを上記と同じマトリクスに配置すると,下図のようになります。


 日本は年齢差が大きいですが,フランスやフィンランドは,ほとんどそれがありません。国際的にみた特異性と同時に,国内の年齢差にも注意を払うべきでしょう。大げさに言うと,若手がツブされる事態です。

 日本は「年齢」を重視する社会ですが,教員の勤務時間構造にもそれが表れています。

7 件のコメント:

  1. 50代教員です。文部科学省の前に労基署にデータを送ってください。

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  2. その上、お給料も、日本では、初等、中等教育では最高の給与と初任給の格差が大きい国の一つであり、しかもOECD 各国は、平均的に給与は増えているのに、日本では減少。つまり、若い教員は、世界で最も労働時間が多いのに、お給料は OECD 加盟国の平均値より低いのです。OECDのカントリーノート日本の概略:http://www.oecd.org/…/Education-at-a-glance-2015-Japan-in-J…
    これじゃあ、若い先生はやってられないでしょう。
    教職の授業を取っている学生数人から、「友だちや先輩に聞くと、先生の仕事って本当に大変そうなので、先生にはなりたいけど、やはり民間も狙います」と言われ、実態を知っているがゆえに、反対はできませんでした。(T_T)

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  3. 24歳で採用2年目の吹奏楽部顧問の娘は夏休みに入り朝補習も毎日あり朝5時半起床6時半に自宅を出て帰宅が本日は11時過ぎ。
    睡眠不足とストレスで過労死寸前です。
    年配の先生方と顧問の負担の差が天国と地獄ほど違います。世代間での不平等が激しく労働時間が2倍の若手は給与が半分以下と反比例しているのに責任だけは初任でも一人前に負わされており若い教師の労働が年上に搾取されている構造です。
    さらに災害時には時間外手当なども他の公務員とはちがい一切支給されないにもかかわらず勤務校または最寄りの公立学校でボランティアで勤務することが義務付けられているようです。なお娘の勤務校は災害時には遺体安置所になるそうです。
    教師の世界では上の先生の指示はたとえ理不尽でも逆らう事は絶対許されず厳しく管理されるようです。
    旧帝大では教職なんて履修できないほうが学生のためだとさえ思います。いまや教師は最もお勧めできない職業になっています。



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  4. これはヒドい。
    よく今まで黙ってやってこられたものです。
    教員のみならず、子どもにもいい影響はありません。
    これは人権問題でしょう。

    どうして、こんなことになってしまったのでしょう。

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  5. 私が思いつくこの現象の根源的問題。論文としてまとめたいです。

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  6. 50代、小学校教員です。若い頃は年間で職場に行かなかった日は7日にもなりませんでした。そしてほとんど帰宅は12時近く…。私のすぐしたが全くと言っていいほど入ってこなかった影響もあり、忙しいことは全て回ってきて、40代半ば過ぎまでほとんど夏休みはありませんでした。提示近くに出勤して、低次すぎると荷物も持たず帰宅する先輩たちに腹が立ちました。その給料よりも更に低くなり、退職金は減らされ、その人たちが悠々自適の生活を60歳から行っていることに腹が立ちます。
    引き出しも増え、若手も入ってきてくれたこともあって、今年はやっと夏休みに一週間休めましたが、勤務時間は、12時間を下回ることはありません。
    国の根幹となる学校教育に費用をかけず、別のところにお金をかけ、現場を知らず、自分の教科のみを大切にする方々が検討して教育課程、社会教育、家庭教育で行ってきたことまで全て学校に押しつけている間は、子どもたちの改善も社会の改善も望めないと思っています。

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  7. 私は「教育行政の悪化」を理由に定年前退職をしました。今は塾を経営しています。日本のブラック状態は3重塗りくらいのブラックです。

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