2016年7月13日水曜日

職業別の推定年収(40代前半男性)

 前に日経デュアルにて,189職業の推定年収を出した記事を寄稿しました。
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=7060

 この記事はよく読まれているみたいですが,老若男女を一緒くたにした,労働者全体の推定年収です。年収は性や年齢によって大きく違うので,これらの基本属性は揃えた比較にする必要があるのではないか。こういう声が多く寄せられています。

 そこで今回は,40代男性に絞った比較をしてみようと思います。バリバリの働き盛りの男性に限定した比較です。私自身,昨日40歳になったので,この年齢層のデータに興味を持ちます。

 資料は,2015年の厚労省『賃金構造基本統計』です。この資料には,5人以上の事業所に勤務している一般労働者の月収と年間賞与額が,性・年齢・職業別に掲載されています。2015年6月の月収(諸手当込)と2014年の年間賞与額です。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

 今朝,電車運転手の給料が結構高い,というネット記事を見かけました。40代前半男性の電車運転手でみると,月収が46.42万円(①),年間賞与額が185.78万円(②)となっています。よって年収は,①の12倍に②を足して,742.8万円となる次第です。ほう,稼げますね。高校教員と同じくらいです。

 同じやり方で,118職業の年収を,40代男性の一般労働者(短時間労働者除く)について計算してみました。原資料に掲載されている,118職業のデータです。対象の労働者数が著しく少ない職業は除外されています。

 下表は,高い順に並べたランキング表です。目ぼしい職業には,黄色マークをしています。


 トップは弁護士で1928万円! スゴイですねえ。全労働者では1036万円ですが,40代男性に絞ると2000万円近くになります。弁護士は自営みたいなもので,収入は仕事量の関数なので,働き盛りの男性の収入が多いのでしょう。

 2位はパイロット,3位は医師です。これも,さもありなん。

 40代前半の男性に限ると,保育士とトラック運転手が意外と高い。しかし,介護職員とタクシー運転手は,働き盛りの層に限っても劣勢。

 性別と年齢を統制した,職業別の年収のランキング表です。参考資料として,ここに掲げておきます。

 さて,私が注目したいのは,大工の年収です。40代前半男性の大工の年収は551万円。5年前(2010年)の335万円よりも,大幅にアップしています。昨今の建築需要により,引っ張りだこになっているためでしょう。

 大工の推定年収の年齢曲線を描くと,下図のようになります。2010年と2015年の比較です。


 20代では変化なしですが,働き盛りの年齢層では,年収が大幅に上昇していますね。40代後半では,397万円から579万円へと,200万近くの増です。スゴイ。

 このグラフをみて,前に持ったゼミの某学生を思い出します。大工になりたいと工業高校を希望したが,親に大反対され,無理やり普通高校に入れられ,大学も仕方なくきたという男子です。授業中,いつも窓の外を見ている子でしたが,私はこれをみて「おしん」を想起しちゃいました。

 今,どうしているのか不明ですが,大工の棟梁の塾にでも入って,自分に正直な道を歩んでいるのでしょうか。まあ,やり直しなんて何歳からでもできますが,もっと早くから自分の望む道に進ませてもらっていれば,現在の状況もさぞ変わっていたでしょう。個性を押しつぶすとは,このことです。

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