2014年5月8日木曜日

自分の人生をどれほど自由に動かせるか

 2010年から2014年初頭にかけて実施された,最新の『世界価値観調査』の結果が公表されています。私は昨日,武蔵野大学のコンピュータ室のパソコンにて,ローデータをダウンロードしました。55か国,79,803人分のデータセットです。
http://www.worldvaluessurvey.org/WVSDocumentationWV6.jsp

 今日は朝から,このデータの分析を楽しんでいます。そのうちをいくつかをツイッターで発信したところ,「自分の人生をどれほど自由に動かせると思うか」の国際比較図が注目を集めていますので,ブログにも載せようと思います。

 この設問は,肯定する度合いを10段階で尋ねる形式です。自分の人生の自由度を10段階で自己評定してもらおう,というわけです。手始めに,日本とアメリカの点数分布を比べてみましょう。ジェンダーの影響を除くため,男性に限定します。下図は,日本の男性1,120人,アメリカの男性1,065人の点数分布を図示したものです。


 日本よりもアメリカのほうが高い側に分布していますね。日本のピークは真ん中の5点ですが,アメリカは7点です。この分布から「人生の自由度」平均点を出すと,日本は5.8点,アメリカは7.6点となります。

 男性同士の比較ですが,アメリカ人のほうが「自分の人生を自由に動かせる」と考えている者が多いようです。アメリカン・フリーダムってやつでしょうか。分かる気がする…。

 私は,他の社会についても,10段階の自己評定点の平均点を出してみました。ジェンダー差をみるため,男女双方の点数を計算しました。その結果を視覚的にご覧いただきましょう。

 横軸に男性,縦軸に女性の平均点をとった座標上に55の社会を位置づけてみました。斜線は均等線です。この線よりも下にある場合,「男性>女性」であることを意味します。上に位置する場合は,その逆です。


 ほう。日本は55か国の中で一番左下にあります。主観的な評価ですが,人生の自由度が最も低い社会です。先ほどサシで比較したアメリカは右上の高い位置にありますが,対極にはメキシコが位置しています。豊かであるが「縛り」が強い社会と,貧しいが「自由」な社会のコントラストを見て取れますね。

 なお,パキスタンは均等線からの距離が大きく,人生の自由度のジェンダー差が大きくなっています。イスラーム教の社会ですので,女性には諸々の厳格な戒律が課せられるためでしょう。

 今回の日本の結果ですが,便利で快適な生活は,個々人の自由を抑圧した,高度な官僚制社会であるがゆえに為せること。これを実感します。しかるに,生活を利便性を多少落としてもいいから,日本人よ,もっとワガママに生きろ。私はこう言いたい。

 首都圏直下型地震が起きる・起きないが言われていますが,人生にいつ終わりが訪れるか分からない。やりたいことをやろう。私は,こういう考えでいます。それが集積して社会が解体したら困りますが,上記の図をみると,わが国の抑圧性・官僚制は,「病理」とでもいい得るレベルに達しているのではないか。こういう疑いを持つのです。

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