2014年2月7日金曜日

結婚の希望と現実

 結婚相手を探しておられる女性のみなさん,現代ニッポンの未婚男性の年収は下図のごとし。昨日,ツイッターで発信した図では無業者を加えませんでしたが,ここではそれを加味した図にしています。資料は,2012年の総務省『就業構造基本調査』です。
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm


 パッと見で「こんなに低いの?」という印象を持たれたことでしょう。電車のつり広告で「20代女性が結婚相手に求める年収は600万」というフレーズをみたことがありますが,600万以上の者は,20代の未婚男性では0.7%しかおらず,30代でもわずか5.7%です。

 現実に多いのは低収入層であり,私の年齢層の30代後半でも,半分が300万未満で,3分の1が200万未満のワープアです。

 30代に焦点を当てて,未婚女性が結婚相手に最低限求める年収と,未婚男性の年収(上図)を照合してみましょう。前者は,明治安田生活福祉研究所の『結婚・出産に関する調査』(2013年)から知ることができます。
http://www.myilw.co.jp/life/enquete/07_marriage.html


 両者の間には,少なからぬズレがみられます。最低でも400万を望む女性は全体の65.8%いますが,この基準を満たす男性は26.2%しかいません。男性の側からすると,半分ちょっとが年収300万未満ですが,これでよしとしする女性はたったの1割なり。

 言葉が不適切かもしれませんが,これが結婚市場の現実です。上記の図をツイッターに載せたところ,「男性だけに稼ぎを期待するのは間違いだ」「共働きすれば何とかなる」「夫婦協力して稼げばいい」という意見が多数ありました。

 まったくもって,その通りだと思います。男性の腕一本で一家を養えるような時代は終わっています。時代は変わっているのです。しかし,当事者の意識は旧態依然のまま。このギャップに,未婚化の進行の一因をみてとれるでしょう。その克服には,女性の社会進出を促す条件の整備,男女の給与差の是正が必要であることは言うまでもありません。