2013年6月15日土曜日

若者にとってキツイ産業

 前回は,『就業構造基本調査』のデータを使って産業別の離職率を試算したのですが,同じ資料から,転職希望率や就業休止希望率のような指標も計算することができます。
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/index.htm

 こちらの場合,細かい産業中分類ごとに数値を出せる利点があります。たとえば,一口に製造業といっても,いろいろな業種を含んでいます。キツイ産業はどういうものか。大分類よりも下った,より具体的な顔ぶれをみてみることにしましょう。

 ここでご覧に入れるのは,20代の正規就業者の転職・就業休止希望率です。若者にとって「キツイ」産業は何か。この点を明らかにするためのメジャーとして使うことにいたしましょう。

 2007年の同調査のデータによると,同年10月時点の20代の正規就業者は707万人です。うち転職を希望している者は121万人,就業休止を希望している者は10万人ほど。よって,転職・就業休止希望率は,(121+10)/707 ≒ 18.5%となります。およそ5人に1人。

 これは全産業をひっくるめた値ですが,当然,業種によって値は大きく変異することでしょう。私は,97の産業について,同じ値を計算してみました。資料的意味合いを込めて,高い順に並べたランキング表を提示いたします。目ぼしい業種にはマークをしています。


 トップは,各種商品卸売業の33.3%です。この業界では,若年の正規就業者の3人に1人が転職ないしは就業休止を希望していることになります。総合商社とか貿易商社でしょうか。

 その次は運輸附帯サービス業,そして3位は何と郵便局です。20代の正規局員25,200人のうち,7,500人(29.8%)が転職を希望しています。民営化されて以降,いろいろ大変という話は聞いていましたが,全産業の中で3位とは。

 ほか,目ぼしい産業の位置をみると,人手不足が深刻な介護は30位,外食チェーン等の一般飲食は41位,保育士等の児童福祉は68位,教員等の学校教育は90位,そして地方公務員は95位なり。まあ,公務員が下位というのは頷けるところですが。

 若き正社員のみなさん,あなたの産業はどこ辺りに位置しますか。自分の立ち位置を知るための参考にしていただければと存じます。

 ただ,これは2007年のデータです。間もなく公表される2012年の統計では,位置構造が大きく変動している可能性もあります。この5年間で,リーマンショック,原発事故等,いろいろなことがありました。上表で88位の電気業は,2012年のランク表では,おそらく不名誉なランクアップを遂げていることと思われます。

 結果が公表され次第,最新のランク表もつくってみるつもりです。では皆様,よい週末を。って,こんなデータを見せられたら凹んでしまいますか。すみません。