2013年3月17日日曜日

人生の段階別の朝食欠食率

 朝食は,1日を元気に過ごすための活力の源となるものですが,近年,国民の朝食欠食傾向が問題になっています。このことを憂慮して,2006年度より「早寝早起き朝ごはん国民運動」が展開されていると聞きます。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/asagohan/index.htm

 朝食欠食率は,厚労省の『国民健康・栄養調査』に掲載されていますが,より仔細な数値を知ることができる資料があることに気づきました。総務省の『社会生活基本調査』です。

 最新の2011年調査では,同年10月中旬の連続する2日間について,調査対象者の1日の生活行動が細かく調べられています。結果表の中に,朝食開始の平均時刻の分布表があるのですが,基礎情報として,当該日に朝食行動をとった者の比率が示されています。
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/h23kekka.htm

 平日の小学生(男子)でいうと,調査日の朝食行動者率は97.0%です。よって,朝食欠食率はこれを裏返して3.0%と算出されます。男子中学生は3.8%,男子高校生は11.8%なり。

 私は同じやり方で,他の段階の朝食欠食率を計算してみました。男性と女性,および平日と日曜の違いもみてみます。下表は,結果を整理したものです。20歳以降の年齢層別の数値は,有業者のものであることを申し添えます。


 まず在学者の箇所をみると,発達の段階を上がるほど朝食欠食率は高くなります。朝寝をする者が多いためか,朝食を抜く者は平日よりも日曜で多いようです。「その他の在学者」とは,ほとんどが大学生かと思いますが,男子大学生の日曜の朝食欠食率は41.3%なり。

 しかし,社会人になると朝食欠食傾向はもっと激しくなります。20代後半の男性有業者の欠食率は,平日で38.6%,日曜で42.4%にもなります。5人に2人です。独身の一人暮らしが多い,ということも影響しているでしょう。

 調査の概要説明をみた限りでは分からないのですが,『社会生活基本調査』の平均時刻集計表でいう「朝食行動者率」とは,主行動として朝食をとった者の比率であると思われます。通勤途中でパンをかじるというような同時行動は除かれていると推測されます。

 したがって,今しがた出した朝食欠食率には,同時行動として朝食をとっている者は含まれているとみられます。しかるに,横着な形での食事というのは,広義の欠食に含めてもよいでしょう。上表の欠食率のデータは,国民,とりわけ若年層の間で「食」が疎かにされていることの証左であると読めます。

 私は視覚人間ですので,上の段階別の朝食欠食率をグラフ化しておこうと思います。男性と女性で分けて,折れ線グラフを描いてみました。実線は平日,点線は日曜の折れ線です。


 最近の学校現場で食育に重きが置かれており,「子どもに朝食を!」を掲げた各種の啓発がなされていると聞きますが,欠食傾向が蔓延しているのは,大人も同じです。これでは,取組の効果も半減する,というものでしょう。上図の緑色の箇所だけを切り取って,ああだこうだ言っても始まりません。

 しかし,犯罪やいじめのような問題行動にしても,子どもの部分だけを切り取って議論されることが多いのだよなあ。いじめは,大人の社会にもあります。大人の社会でのいじめのほうが,もっとスゴイともいえます。子どものいじめというのは,それの引き写しである面が大です。

 子どもは社会の鏡です。このテーゼの重要性は,どれほど強調しても足りることはありますまい。

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