2012年6月5日火曜日

国別の幸福度カルテ②

前回の続きです。今回は,OECDのBLI対象国のうち,アルファベット配列の12~24番目の国の幸福度カルテをご覧にいれます。

 ここでいう幸福度カルテとは,収入,住居など,11の項目をもとに,各国の幸福度を多角的に診断するものです。下記サイトの原資料のデータを加工して作成しました。そのプロセスについては,お手数ですが前回の記事を参照してください。
http://www.oecdbetterlifeindex.org/

 ではまず,ギリシャからイタリアまでの6か国のカルテをみていただきましょう。それぞれの項目の幸福度が,0.0~1.0までのスコアで測られています。値が大きいほど,幸福度が高いことを意味します。よって,図形の面積が大きいほど,総体的な幸福度が高いことになります。

 国名の右の数値は,各項目の幸福度を測る24指標のスコアの平均値です。この数値は,あらゆる側面を合成した総合的な幸福度尺度とお考えください。この数値が0.7を超える場合,図形の色をピンクにしています。


 ギリシャとハンガリーは,図形の面積が小さくなっています。この2国は,国民の主観的な生活満足度が低いようです。ハンガリーは,健康面の凹みも目立ちます。最近低下していますが,この国は自殺率が高いことで有名です。

 北のアイスランドとアイルランドは,比較的円満な型をなしています。中東のイスラエルは,社会参画の凹みが顕著です。この項目は,国民がどれほど社会の形成に参画しているかを測るもので,投票率や協議による政策決定頻度から構成されます。中東では独裁国家が多いといいますが,そのことの表れでしょうか。

 次に,日本からニュージーランドまでのカルテです。日本の図は前回もみましたが,再掲します。図形の形を他国と比べてください。


 この中で異彩を放っているのがメキシコです。収入,教育,および安全の面での幸福度は全対象国の中の最低レベル。その一方で,国民の健康度や生活満足度はわが国や韓国に匹敵します。客観的な側面と主観的な側面の落差が激しい,特徴的な型です。前回みたブラジルもそうでした。途上国型と括られるタイプです。

 さて,日本の特徴(欠点)はといえば,やはりワーク・ライフ・バランスの項の凹みでしょう。この項目を測る元の指標は,長時間労働率と余暇時間です(前回の記事参照)。最近改善されてきているとはいえ,日本はまだまだ,国民の生活構造の歪みが顕著な社会です。このことは,客観的な生活水準に釣り合わない,人々の健康不良や生活不満につながっていると思われます。

 このことは当局も認識していることであり,各種の施策が実施されています。官民一体となった取組の進展が,強く望まれるところです。