2012年5月26日土曜日

項目別の幸福度国際比較②

OECDの幸福度尺度(BLI)では,11の項目をもとに,各国の幸福度を計測しています。前回は,わが国の項目ごとの幸福度が,OECD平均とどう違うかを明らかにしました。今回は,日本を含む先進5か国(日,米,英,独,仏)について,11の極からなる幸福度プロフィール図を描いてみようと思います。

 前回のおさらいですが,BLIでは,11の項目(収入,仕事,住居・・・)の幸福度を,24の統計指標で測っています。たとえば収入を測る指標として,世帯収入と世帯金融資産の2指標が選択されています。私が関心を持つ教育は,教育普及度,平均在学年数,および学力という3指標で測られています。
http://www.oecdbetterlifeindex.org/

 まずは,5か国の24指標の値をみてみましょう。ここで示すのは,各指標の値を0.0~1.0までの標準スコアに換算したものです。世帯収入のような,ポジティヴ面を測る指標は,値が高い(低い)ほど1.0(0.0)に近くなるように計算されます。殺人率のようなネガティブ面の指標(▼印)は,その反対です。よって,いずれの指標のスコアも,値が高いほど好ましいことを示唆します。指標の説明とスコアの計算方法の詳細は,前回の記事を参照ください。


 5か国中の最大値は赤色にしています。日本は,教育面と安全面の幸福度指標が,いずれも5か国中最高です。これは誇ってよいことでしょう。

 教育普及度とは,後期中等教育卒業以上の学歴保有者の比率ですが,この指標のスコアは1.00です。つまり,全対象国(36か国)の中で最も高いことになります。教育普及度が高いことには,進学の社会的強制のような問題が伴う面もありますが,この点は置いておきましょう。

 アメリカは,収入面と住居面の幸福度が高いようです。世界トップの産業,広大な国土を考えると,さもありなんです。収入の2指標のスコアは双方とも1.00で,全対象国の中でも最高であることが知られます。まあ,この国では内部格差が大きいことに注意しなければなりませんが。

 イギリスは,環境面の指標のスコアが高くなっています。独仏の大陸国はワーク・ライフバランス(仕事と生活の調和)が進んでいるようです。うーん,分かる。日本はというと,この面がお寒い状況です。長時間労働率,余暇時間とも,他の4国に比して,スコアが格段に低くなっています。

 上記のローデータを簡易化しましょう。項目ごとのスコア平均を出してみます。収入の場合,世帯収入と世帯金融資産の2指標のスコアを均すことになります。日本でいうと,(0.520+0.696)/2 ≒ 0.608です。


 かなりスッキリしました。ではこのデータをグラフ化してみましょう。下図は,表中の11の項目(極)からなるレーダーチャート図です。各国のどの項が突出していて,どの項が凹んでいるのかに注目してください。5か国のチャートを一つに盛り込みましたので,見にくいかもしれませんが,表の数字の羅列よりはよいでしょう。


 
 総体的にみて,日本の図形の面積は大きくはないようです。WLバランス,社会参画,および生活満足の部分の凹みが効いています。また,図形の形もあまりよくありません。ヨーロッパ3国のような,円満な形になってほしいものです。

 次回は,発展途上国の幸福度プロフィール図を描いてみます。こちらは「!!」というような型になっています。

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