2012年5月10日木曜日

年齢層別の自殺原因構成

警察庁は,遺書などの分析により,自殺者の自殺原因を仔細に明らかにしています。私は,同庁の公表資料をもとに,2011年中の年齢層別の自殺原因構成を俯瞰できる統計図をつくってみました。原因が判明した者の分の統計です。警察庁『平成23年中における自殺の状況』の附録資料から数字を採取して作図しました。
http://www.npa.go.jp/toukei/index.htm


 ゴチの太字は,全年齢層でみた場合のシェアが上位5位の原因です。うつ病,身体の病気,生活苦,統合失調症,夫婦関係の不和,が該当します。

 身体の病気は,高齢層になるほど比重が大きくなります。うつ病のシェアはどの年齢層でも大きいのですが,とくに30代~40代の働き盛りの層で猛威を振っています。30代では,全原因の4分の1近くがうつ病です。「うつの時代」と形容される,現代日本の状況が反映されています。

 一昨日の読売新聞では,就職失敗を苦に自殺する若者が激増していることが報道されていました。この理由で自殺した10~20代の者は,2007年では60人でしたが,2011年では150人にまで増えたとのこと。しかるに,上図にみるように,全原因中の比重という点では,さして大きなものではありません。若者でも,うつや統合失調症など,精神的なものが大きいことがうかがわれます。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120508-OYT1T00690.htm

 とはいえ,じゃあなぜ若者がうつになるのかといえば,それはやはり,就職失敗や生活苦というような社会的な原因による部分が大きいことでしょう。上図の模様は,偏った心理主義に堕すことを正当化するものではありません。

 上記の警察庁資料では,年齢層別と共に職業別の自殺原因構成も明らかにされています。回を改めて,教員の自殺原因構成の年次変化を俯瞰できる統計図をつくってみようと思います。

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