2011年4月8日金曜日

学級の小規模化

 昨年,公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律が改正され,公立小学校1年生の,1学級あたりの標準児童数が40人から35人へと変更されました。この新規定は,この春から施行されることになっています。

 しかし,こうした法改正を待つまでもなく,現実には,学級の小規模化はかなり進行しています。少子化のご時世ですので。下図は,文部省『日本の教育統計』(1966年)と,文部科学省『文部科学統計要覧・平成22年版』より作成したものです。


 長期的にみて,小学校の児童数は減少傾向にあります。児童数のピークは,1958年(昭和33年)で,1,349万人もの児童がいました。それが2010年では699万人にまで減っています。ほぼ半減です。

 その一方で,学級の数はほとんど変化していませんので,1学級あたりの児童数(児童数/学級数)は加速度的に減じてきています。図中の棒グラフによると,1950年では44.3人でしたが,2010年では25.2人となっています。これだけみても,法改正で掲げられた35人という標準人数をかなり下回っています。


 次に,小学校の学級数を,収容人員別にみてみましょう。上図は,児童数がピークであった1958年と2010年を比較したものです。これによると。1958年では,41人以上の学級が全体の7割を占め,51人以上という「すし詰め学級」も33%ありました。

 しかし,今日では,41人以上の学級は全体の0.1%しかありません。全体の6割が30人以下で,2割が20人に満たない学級です。学級の小規模化が明らかです。

 文科省の説明文書によると,冒頭でみた法改正の趣旨は,「新学習指導要領の本格実施や、いじめ等の学校教育上の課題に適切に対応ができるよう,35人以下学級について,公立小学校第1学年の学級編制の標準を見直す」というものだそうです。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/1302025.htm

 2月25日の「キレる子ども」の記事で書きましたが,入学して間もない小1児童の問題行動(小1プロブレム)が深刻化している状況ですので,考え方としては妥当であると思います。ですが,現実に学級の小規模化が進んでいるにもかかわらず,各種の問題が頻発しています。学級のサイズを縮小すればよい,という単純な話でもなさそうです。

 教育社会学の研究テーマの一つに,学級の適正規模に関する研究というものがあります。どれほどの規模の学級で,子どもの学力が最も上がるか,問題行動が少なくなるか,というものです。文科省の『全国学力・学習状況調査』の結果を仔細に分析すれば,ある程度のことは明らかにし得ると思います。機会をみつけて,手がけてみようと思います。 

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