2011年1月23日日曜日

喘息疾患率

 子どもが罹患しやすい病気の一つに,喘息(ぜんそく)というものがあります。喘息とは,気管支の機能狭窄によって,発作的に呼吸困難になることです。アレルギーによるものがほとんどですが,感染や心理的要因によって罹患することもあります。

 文科省の『学校保健統計調査』には,子どもの年齢ごとの喘息罹患率が掲載されています。最新の2010年の統計にて,6歳から17歳(小学生~高校生)の罹患率の平均値を出すと,34‰となります。35年前の1975年ではわずか4‰でした。大気汚染の進行のためでしょうか。喘息を患う子どもが増えているようです。


 例の社会地図形式で,各年齢の罹患率の変化を俯瞰すると,上記のようになります。図の模様は,タテ模様になっています。つまり,時代の変化が大きい,時代現象であることを示唆します。どの年齢の罹患率も上昇しています。2010年では,小学校の年齢帯(6~11歳)が,黒に染まっています。6歳児では,47‰(=4.7%),つまりおよそ25人に1人が喘息疾患者です。

 文科省の『学校保健統計調査』は非常に充実した統計であり,この他にも,さまざまな病気の罹患率を知ることができます。これまでの教育社会学は,子どもの学力や進学率など,教育達成の側面に主に着眼してきましたが,それは,いってみれば,2階の部分です。それらに先立つ,基底部分(1階部分)は,「健康な生」に他なりません。上記の資料を使って,この部分の実態解明にも力を入れようと思います。