2011年1月6日木曜日

『国勢調査』の危機?

 わが国では,5年おきに,『国勢調査』という大規模調査が実施されています。本調査は,国民全員を対象とした悉皆(しっかい)調査で,その結果は,国の政策立案などに活用されます。その意味で,大変重要な調査なのですが,この調査の一部の設問に対して,回答をためらう人が出てきているようです。

 まあ,最終学歴については,「こんなこと,答えにゃいかんのか」と,回答を拒否する人が結構いると聞きますが,回答拒否率が高いと思われる設問が他にもあります。たとえば,配偶関係です。2005年調査の結果によると,30代後半の男性の回答は,未婚が1,320,943人,有配偶が2,760,286人,死別が5,851人,離別が153,470人,です。合算すると4,240,550,人ですが,この年の同性・同年齢人口総数(4,402,787人)よりも,162,237人不足しています。

 この162,237人は,この設問への回答を拒否した者と推定されます。比率にすると,男性30代後半人口(4,402,787人)の36.8‰に相当します。%にすると,3.7%というところです。この比率(回答拒否率)を各年齢層別に出し,その時代推移もみると,下の図のようになります。


 1990年の10~20代にやや高いゾーンがありますが,注目されるのは,2005年の30代後半層の山です。この層では,回答拒否と推定される者の比率が,30‰を超えています。この年齢層の未婚者などは,調査票の「未婚」の選択肢を塗りつぶすのに,強い不快感を感じる,ということでしょうか。

 時代推移をみると,1985年までは,一様に低率色(青色)で染まっています。しかし,1995年から,30代あたりを中心に,拒否率が急激に高まっていることが知られます。昨年の10月,2010年調査が実施されましたが,その結果を加えると,どういう模様になるでしょうか。若干の不安をぬぐえません。2010年調査は,10年に一度の大規模調査ですので,最終学歴についても尋ねています。この設問については,どういうことになるのやら・・・

 未婚率,単独世帯率など,社会の私事化の度合いを計測する指標はいろいろあるのですが,『国勢調査』への回答拒否率というのも,使えるかもしれません。

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