2010年12月20日月曜日

子どもの肥満化

 最近,子どもの肥満が問題になっています。運動不足や食生活の乱れなど,いくつか原因は考えられますが,当局はとくに後者を重視しているようであり,近年の学校現場では,食育推進の取組が盛んになっています。今回は,小・中学生のうち,肥満児は何%いるか,その値は時代や年齢によってどう変異するか,ということを明らかにしたいと思います。

 文部科学省の『学校保健統計調査』は,各児童生徒の実測体重と身長別標準体重から肥満度を出し,この値が20%を超える者を肥満児としています。最新の2010年調査によると,10歳児童のうち,9.3%が肥満児と判定されています。およそ1割です。私が生まれた頃の1977年では,この値は5.3%でした。なるほど,確かに子どもの肥満化は進んでいるようです。


 では,時代と年齢を同時に俯瞰する社会地図の登場です。図の模様は,おおよそ円形になっています。それは,当該の事象が,時代とともに変わる時代現象であると同時に,年齢によっても変異する年齢現象であることを示唆します。幾重からなる同心円のピークは,2000年以降の11~12歳の部分にあります。最近のこの年齢では,肥満児の比率が10%を超えます。

 最近,中学受験をする子どもが増えていますが,受験勉強による運動不足故でしょうか。それとも,第2次性徴の始まりという,生理的原因がこの年齢の肥満に関与しているのでしょうか。いずれにせよ,この年齢帯をデンジャラス・エイジと認識し,対策を講じることが求められるでしょう。